No.18 名もなき失恋
僕は場のカードを全て流すことを選択した。右隣に座っていたレナート先輩は形の良い瞳を二回程瞬きして、左隣に座っていたミハイル先輩は膝に置いていた手を椅子の肘掛けに戻した。先ほどまでの場には、高得点になるAのカードが二枚も並んでいたのにアテが外…
文章B小説2
No.17 大好きだよ
(好き)バキッ。(大好き)ガッ。ドッ。(好き)ズシャッ。(大好き)ドカッ。パキッ。わらわらと出てくる敵を使い慣れた杖でなぎ払い、急所を狙いのしていく。杖片手に私は敵の無駄にデカイ建物の中を突き進んでいた。幸い今の所敵は下っ端しかおらず一対一…
文章B小説1
No.16 マジックアワー
待たせているのだろうな、という思いはあった。この南国で傷はほぼ完治と言える。痛みはもうあまり気にならないが、言い換えれば意識すれば多少は痛む。つまり、ボールはこちらに投げられている。私が望むなら彼はいつでも準備万端だろう。あとは気持ちがつい…
文章B小説1